利酒師 毛馬の日本酒だより

毛馬 克紀 プロフィール

57階レストラン「ZK」マネージャー
毛馬 克紀 (Katsunori Kema)

大阪市内のレストランやホテルなどで経験を積む。シニアソムリエを始め、ジュニア・バーテンダー、焼酎利酒師など様々な資格を持ちレストランサービスにおいて精通しているスキルを持つ。2014年に大阪マリオット都ホテル入社。2015年に日本酒 利酒師を取得。


取得資格:シニア ソムリエ / 草月流 師範 / 表千家 茶通箱 / ジュニア バーテンダー / 和食検定 実務レベル2級 / 国家検定資格 料飲サービス士 1級 / テーブルマナー講師 西洋料理 / 日本料理食卓作法講師 /調理師 / 焼酎利酒師 / J.S.A. SAKE DIPLOMA / 酒匠

2019/2/1号

暦の上では春は目の前ですが、寒さが厳しい日が続きます。
日本酒造りにおいては、今の季節が最盛期。今回もおすすめの3本をご紹介します。

田中六五 糸島産山田錦純米酒
130ml 1,500円

福岡県福岡市の西に位置する糸島市にある酒蔵。辺り一面は酒米の王様「山田錦」を栽培している田んぼが広がっています。銘柄は田んぼの中から生まれたお酒を意味しています。“六五”は精米歩合を示し、蔵主の「誰もが普段使いできる定番のお酒を造りたい」というモットーが表れています。「撥ね木」と呼ばれる巨木に大きな石をいくつもぶら下げ、テコの原理でお酒を搾る「ハネ木搾り」という伝統的な搾りの技法を用いて搾るのがこの酒蔵の特徴です。膨大な手間と時間がかかるため、今では全国的に採用している蔵もごく僅か。余計な力を加えず優しく搾ることで丸みのある酒質のお酒が生まれます。
       
香りは抑えられ、和三盆やカマンベールなどのような優しい甘みが僅かに感じられます。口に含むと程よい酸味と山田錦の米の旨味が味わえ、アルコール度数が15度なので軽くてスムーズな飲み口。余韻とともに訪れる軽い苦味が心地よく、食欲をそそられる後口。食事の邪魔をしない食中酒としておススメです。

よく合うメニュー

“伊勢海老の白子クリーム焼き 唐墨風味”
(和食コース「旬彩」
  2月のメニューより焼き物)
“炙り大和黒鶏と丸大根の
はりはり小鍋仕立て”
(和食のコース「星雲」
  2月のメニューより留め肴)
“真鯛と海老のストラッチ サフラン風味”
(洋食コース「Specialite」
 2月のメニューよりパスタ料理)
など

蔵元名

有限会社白糸酒造(福岡県 糸島市)

原料米

糸島産山田錦

精米歩合

65%

奈良萬 純米生酒 無濾過生原酒 中垂れ
130ml 1,400円

銘柄から奈良の地酒?と思われる方も多いようですが、1877年(明治10年)創業の福島県喜多方市にある酒蔵、夢心酒造が県外や国外へ放つ流通限定銘柄です。“奈良萬”は創業当時の屋号が「奈良屋」であることが由来。酒名に「中垂れ」の言葉が入っていますが、お酒を搾る際に最初に垂れてくる「あらばしり」部分、最後の「セメ」の部分を省き酒質の安定している一番バランスの良く美味しいと言われている「中取り(中垂れ、中汲み)」部分のみを詰めたという意味合いです。また、火入れをしていない生酒ですので、炭酸ガスを含んだ酒質でピチピチッとしたフレッシュな飲み口を味わえます。

完熟したマスカットを思わすフルーティーな香り。口に含むと先ず、生き生きとしたシャープな甘みとフレッシュな酸が感じられ、シュワシュワっとした喉越しの後にするどいキレがあり、爽快な飲み口。じんわりと感じる米の旨味の余韻と後を引く苦味が感じられ、後味はスッキリとしたドライな印象。温かいおでんや、カニ料理にぴったりと合うお酒です。

よく合うメニュー

“大海老黄身揚げ 煮おろし掛け”
(和食コース「旬彩」
  2月のメニューより留め肴)
“穴子海老芋巻き 筍 蕗 梅麩 碓井豆”
(和食コース「絶景」
  2月のメニューより煮物)
“オマール海老のテルミドール
パプリカのピュレ添え”
(洋食コース「Specialite」
 2月のメニューより魚介料理)
など

蔵元名

夢心酒造株式会社
(福島県 喜多方市)

原料米

五百万石

精米歩合

55%

日本酒度

+3

酸度

1.7

あぶくま 純米吟醸 山田錦 無濾過生詰
130ml 1,600円

大阪にはなかなか入ってこない珍しいお酒が入荷いたしました。
福島県中通りの中部に位置する田村市にある酒蔵。創業は江戸期の文政6年。年間200~300石前後で、出荷の大部分が地元田村市という小規模な蔵です。平成17年秋より杜氏制度を廃止し、経営者が自ら製造責任者となり、地元の人間だけで仕込む体制をとりました。小規模さを生かし、手間を惜しまずに丁寧に仕込みをおこない、毎年酒質のレベルを上げていくことが目標で、1本1本丹精こめた日本酒を造っています。近年、その味が認められ、県内外を問わず、ただいま人気急上昇中。そのため、“あぶくま”は品薄状態となっています。

香りは僅かに抑えられ、軽くスムーズな飲み口で、優しい甘味を伴う米の旨味を味わえます。スーッと消えていく後口でピュアな印象。心地よい酸が特徴的で、洋食にも合わせやすいです。ほんのり甘味を載せた旨口タイプでスッキリとして飲みやすいお酒です。

よく合うメニュー

“薄葛仕立て 鯛餅 梅花蕪 千枚筍 菜の花”
(和食コース「旬彩」
  2月のメニューより椀)
“サーモン菜の花包み 慈姑和蘭煮
安倍川南京 鶏松風 蟹と蕪奉書巻き
鰯梅煮土佐まぶし”
(和食コース「絶景」
  2月のメニューより前菜)
“帆立のソテー グァンチャーレのヴェール”
(洋食コース「Horizon」
 2月のメニューより温前菜)
など

蔵元名

有限会社玄葉本店
(福島県 田村市)

原料米

山田錦

精米歩合

50%

日本酒度

+1

酸度

1.6

ZKでは、利酒師 毛馬がセレクトする“特選 日本酒飲み比べ 三種セット”(各60ml 2,200円)も
週替りでご用意しております。

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