利酒師 毛馬の日本酒だより

毛馬 克紀 プロフィール

57階レストラン「ZK」マネージャー
毛馬 克紀 (Katsunori Kema)

大阪市内のレストランやホテルなどで経験を積む。シニアソムリエを始め、ジュニア・バーテンダー、焼酎利酒師など様々な資格を持ちレストランサービスにおいて精通しているスキルを持つ。2014年に大阪マリオット都ホテル入社。2015年に日本酒 利酒師を取得。


取得資格:シニア ソムリエ / 草月流 師範 / 表千家 茶通箱 / ジュニア バーテンダー / 和食検定 実務レベル2級 / 国家検定資格 料飲サービス士 1級 / テーブルマナー講師 西洋料理 / 日本料理食卓作法講師 /調理師 / 焼酎利酒師 / J.S.A. SAKE DIPLOMA / 酒匠

2019/3/1号

皆様のおかげで5周年を迎えることができました。。
今回は5周年イベントのひとつである「ろあん松田×ZK」でご提供する“蕎麦”に合う
秋田の日本酒を酒蔵見学と共にお届けいたします。

“雪の茅舎”齋彌酒造店

ろあん松田店主の松田 慎之介氏から、5周年イベントで提供する蕎麦には秋田のお酒を合わしてほしい、というリクエストがあり、この機会に秋田の2つの酒蔵を見学してきました。


まず最初の酒蔵は、秋田県由利本荘市にある齋彌酒造店が醸す“雪の茅舎”は、秋田を代表する銘柄の一つです。創業は明治35年(1902年)で、当時のまま残る蔵などが国の登録有形文化財に登録される歴史のある外観です。蔵の中へは代表取締役会長の齋藤 銑四郎氏が案内してくださいました。

蔵の中は秋田杉で造られ、特に麹室の壁、床には麹菌が入り込まないように節のない綺麗なものだけが採用されています。案内の途中、所々で蔵人の方々が掃除をされていました。齋彌酒造店では「お酒は人ではなく、微生物が醸す」というモットーがあり、薬剤を使用した蔵内殺菌をせず、ひたすら掃除をしてきれいに仕上げてきたそうです。そうした日々の努力のおかげで酒蔵として日本で初めてオーガニック認定をいただいたと齊藤氏が笑顔で話してくれました。

また、酒造りの現場では、微生物の働きに任せ、ゆっくりと醸されたお酒を出来るだけ、出来たままのお酒に余分な手を加えないでそのまま味わっていただきたいという思いから、「櫂入れをしない」、「濾過をしない」、「加水しない」ことを蔵の特長にしています。このことにより通常の蔵よりも時間の掛かる造りのサイクルで25~26日目でようやく仕上がります。原酒でアルコール度数が15度になるように設計され、自然のままに出来上がったお酒はヤブタで搾られ、全国各地へと出荷されます。

“刈穂”刈穂酒造

次に訪ねたのは、全国花火競技大会「大曲の花火」で有名な秋田県大仙市の雄物川沿いにある刈穂酒造です。ろあん松田の松田氏のおススメのお酒でもある“刈穂”は、辛口純米酒で、秋田市内のどの飲食店にも必ず置いてある人気銘柄です。蔵の建物は1850年(嘉永3年)に建てられた歴史のあるもので、「滄溟海」という、火災を恐れ3文字とも“海”を意味する字をあてて命名された蔵が今も現役で使用されております。

刈穂酒造では、ほとんどが1500kgの小さなタンクで仕込んでいます。(大吟醸などはさらに小さな750kgタンクの小仕込み)生産高2000石の半分以上は純米酒系で、3割ほどは地元流通の普通酒を造っている昔ながらの造り酒屋です。仕込み水は、井戸から汲み上げられる天然ミネラルを多く含む中硬水で、灘酒の様なしっかりとしたキレのある味わいに仕上がります。軒先には近所の方が、水を汲み上げに来ていました。こちらの水でお茶を淹れると大変美味しくなると評判の様です。

同じグループの酒蔵で隣町にある出羽鶴酒造に設置してある3台の精米機で、自家精米した秋田産の酒米を中心に酒造りを行っています。1,020kg入りの青い米袋を初めて見て、その大きさにビックリしました。流石は米どころの秋田。精米後に出た糠の一部は大曲の花火作成時に使用される「糊」として再生されています。

最後に・・・

酒造りのお忙しい時期に丁寧にお酒について語っていただいた齋彌酒造店の齋藤会長、ならび秋田清酒株式会社 佐渡取締役製造部長にお礼を申し上げます。ありがとうございました。

雪の茅舎 純米吟醸
130ml 1,500円

“雪の茅舎”シリーズの中でスタンダードな純米吟醸。ほどよく上品な和三盆や和梨の香り。とても柔らかく軽い口当たりで、瑞々しい優しい甘みと旨味が広がり、スーッと消えるようなゆっくりとした余韻が楽しめます。繊細な料理と合わせやすい透明感のある綺麗な味わい。美味しさのあまり何杯でも飲んでしまいそうなので、注意が必要です。

よく合うメニュー

“盛りそば”
(3月1日~4日の限定コース
 「ろあん松田×ZK日本料理コラボ
  メニュー」よりお凌ぎ)
“揚げ鯛餅と海老の美味餡かけ”
(和食のコース「旬彩」
3月のメニューより合肴)
“桜鯛とオクラのタルタル
キャビア添え”
(洋食のコース「Specialite」
3月のメニューよりオードヴル)
など

蔵元名

株式会社齋彌酒造店(秋田県 由利本荘市)

原料米

あきた酒こまち・山田錦

精米歩合

55%

日本酒度

+2

酸度

1.5

刈穂 山廃純米超辛口
130ml 1,400円

刈穂酒造のスタンダードで一番人気の銘柄です。香りには山廃らしい、麦藁や黄粉を思わす香ばしさが感じられます。とてもシャープな飲み口。アタックではさすがの辛口を感じますが、余韻と共に訪れる、きめ細やかに凝縮された上質のなめらかな旨味が広がる「うまい酒」。常温やぬる燗で本領を発揮します。

よく合うメニュー

“鴨汁そば 鴨団子 炙り鴨 焼き葱”
(3月1日~4日の限定コース
 「ろあん松田×ZK日本料理
コラボメニュー」より蕎麦)
“桜鯛の焼き浸し 生雲丹と繊野菜載せ
 独活 大根 人参 芽葱”
(和食のコース「旬彩」
3月のメニューより焼き物)
“海老とモッツァレッラのパートブリック
 包み焼き カポナータ添え”
(洋食のコース「Horizon」
3月のメニューより温前菜)
など

蔵元名

刈穂酒造株式会社(秋田県 大仙市)

原料米

美山錦・秋の精

精米歩合

60%

日本酒度

+12

酸度

1.8

翠玉 純米吟醸 滓がらみ 生
130ml 1,600円

完熟したメロンやキャラメリーゼの香り。しかっりとした味わいを持つ旨味と、十分なボリュームを含む甘味、生酒らしい生き生きとした酸とのバランスが良い、芳醇旨口タイプのお酒です。キレの後に苦みもあり食事と合わせやすいフルーティーな印象。生酒らしい爽快な刺激も楽しめます。

よく合うメニュー

“丹波篠山黒豆豆腐 はたはたと
岩津ねぎの焼き浸し
蛍烏賊黄身辛子酢掛け 水菜生ハム巻き
赤鶏と筍木の芽焼き サーモン奉書巻き
黄パプリカ・カリフラワー・レッドパールオニオン甘酢漬け”
(3月1日~4日の限定コース
「ろあん松田×ZK日本料理
  コラボメニュー」より酒菜)
“蛍烏賊の沢煮鍋仕立て 芹 筍 水菜
椎茸 榎木茸 糸蒟蒻”
(和食のコース「星雲」
3月のメニューより留め肴)
“桜鯛と山菜のアラビアータ
自家製手打ち麺のキタッラ”
(洋食のコース「Specialite」
3月のメニューよりパスタ料理)
など

蔵元名

両関酒造株式会社(秋田県 湯沢市)

原料米

秋田県産酒造好適米

精米歩合

50%

日本酒度

-6.3

酸度

1.4

ZKでは、利酒師 毛馬がセレクトする“特選 日本酒飲み比べ 三種セット”(各60ml 2,200円)も
週替りでご用意しております。

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