総料理長 樋口 宏江の想い
総料理長 樋口宏江
2008年ベイスイート開業とともにフレンチレストラン「ラ・メール」シェフとなる。2014年総料理長に就任。2016年5月に開催された伊勢志摩サミットでワーキングディナーを担当。2017年農林水産省料理人顕彰制度「料理マスターズ」にて女性初、三重県初の「ブロンズ賞」を受賞。2019年「ミシュランガイド愛知・岐阜・三重2019特別版」にてフレンチレストラン「ラ・メール」ミシュラン一つ星評価。
伊勢志摩サミット2016
2014年「志摩観光ホテル」の総料理長に就任し、2年目には「伊勢志摩サミット2016」で、ワーキングディナーを担当させていただきました。会場で首脳の皆さまと握手させていただいたときは、料理をするよりも緊張し、本当に貴重な経験をさせていただきました。たいへんな任務でも、チームで一丸となってひとつひとつクリアしたことで、大きな仕事を成し遂げられる喜びを実感いたしました。
伊勢志摩サミットの料理は「三重県の食材を使用してほしい」という外務省からの指示もあり、地元の生産者を訪ねる交流が始まりました。みかん畑や漁港、かつお節のいぶし小屋、酒蔵など、生産の現場を自らの目で確認し、生産者の話しを聞くことが、なによりも愉しく、生産者の皆さんから多くのことを学ぶことができます。ホテルの代表的な食材である鮑や伊勢海老は乱獲による資源の枯渇を防ぐため、サイズ規制や漁期に地域独自の制度をもうけて海の資源を守り育てています。そんなサスティナブルな漁業を実践している漁師さんの取り組みに尊敬の念が尽きません。
伊勢志摩ガストロノミー
このように志摩観光ホテルでは料理を通して三重県、伊勢志摩地方の食の豊かさを伝え、資源を守り支える取り組み「伊勢志摩ガストロノミー」を積極的にを発信しております。「ガストロノミー」とは食材と文化について考察することで、美食学と呼ばれています。伊勢志摩は古くから「御食つ国(みけつくに)」として朝廷へ食物を納めており、地域独自のルールで資源を守り続けてきました。志摩観光ホテルの「海の幸フランス料理」も40年以上も前に伊勢志摩の食材を中心に生み出され、これは「ガストロノミー」の考えそのものであり、その精神は今でもホテルの伝統として守り続けております。
想いを料理に込めて