明日のためのSDGsのおはなし
#めでるめぐるホテル
都ホテル 京都八条 × 京都府立農芸高校
ホテルコンポストの堆肥で季節の草花や樹木を育て
お客様をもてなすウェルカムガーデンが誕生しました
■はじまりの物語
「#めでるめぐるホテル」は、2022年8月よりスタートした食のSDGsを目指す「#たべるめぐるホテル」から、新たに生まれた取組みです。
『食の循環だけでなく目で見て楽しむSDGsとして、季節の花々をホテルコンポストの堆肥を使って育てる花壇=ウェルカムガーデンを作りたい!』という私たちの想いに、京都府立農芸高校で造園を学ぶ生徒の皆さんが賛同してくれたことからスタートしました。
彼らは、「#たべるめぐるホテル」の取組みに欠かせない“コンポスター作り”を手掛けており、
彼らがホテルの様々な要望に試行錯誤しながらひとつひとつ工夫して仕上げてくれた木製コンポスターは、ホテル正面玄関横で、日々ホテルの厨房で出た野菜くずの一部が栄養豊富な堆肥に再生されています。
■まずはフラワーポッドから
ウェルカムガーデン設置予定地はホテルと京都駅の間の八条通沿いで、方角は北向き。建物にも囲まれているため日当たりの問題がありました。日照時間が一年を通じてとても短いのです。そのため長年、植えっぱなしでもあまり手がかからないツゲとリュウノヒゲの植栽がありましたが、ホテルの玄関口としてはちょっぴり寂しいものでした。
その場所を、京都らしい四季を感じられる庭園花壇に生まれ変わらせるのです。
そこでまずは一年間、同じ環境にあるホテル西側玄関にフラワーポッドを設置。3ヶ月ごとに季節の草花を育て、生育具合のチェックを行いました。この取組みは、同じく農芸高校の草花コースとホテルの庭園スタッフの協力により進めることができました。結果、各季節のあいだ植物は問題なく綺麗な状態を保てることがわかり、ホテル前が華やかになったと評判も上々。フラワーポッドもそのまま続けながら、いよいよ正面玄関前のウェルカムガーデン計画が始動することになったのです。
■いよいよスタート!
2024年3月13日、14日、いよいよ施工日を迎えました。作業にあたるのは、京都府立農芸高校造園部のメンバー5名(1年生2名、2年生2名、3年生1名)。3人の先生は見守り役です。
作業開始前には、ホテルの主たる部門の責任者を前に、スライドを使って自分たちの今までの実績や今回のデザイン、取組みにかける想いなどをプレゼンテーションしました。
その後「都ホテル 京都八条」がどんなホテルかを知ってもらうためのホテル館内ツアーも終え、いよいよ作業スタート!!
制服から作業着に着替えた造園部メンバーは、てきぱき作業を進めていきます。学校名の染め抜かれた藍の法被をはおり地下足袋をはいたその姿は、まるで京の伝統的な庭師さんそのもの。道行く人々も思わず足をとめ、「未来の職人さんたちがんばれ!」と励ましの言葉をかけてくださいます。
また、今回造園部メンバーと共に作業にあたったのは、ホテルの庭園スタッフ。彼らは日頃、縁の下の力持ちとしてホテルの景観・美観を保つ仕事を担っています。高校生たちにとって、草花の育成とケアを本職としている先輩との交流の機会にもなりました。
■遂に完成!ウェルカムガーデン
陽光桜や沈丁花が咲く、京都の春をイメージしたウェルカムガーデンがついに完成!草花だけでなく、樹木や石材、玉砂利を使用し、庭園的な要素を取り入れ、より一層古都の風情を感じるものに仕上がりました。
この庭園花壇の特徴は、地中に埋め込まれた大小の植木鉢。この部分にストックヤードで育てた樹木や草花の鉢を重ね入れるカセット式にすることで、季節にあった演出ができる優れもの。これは「四季の趣を大切にしながら、花や樹木は一度咲かせたら終わりではなく、一年後も二年後も毎年見ごろを迎えるころに出番が訪れるようサステナブルな花壇にしたい。」というホテルの願いを叶えるため、造園部のメンバーが考え抜いたアイデアです。地植えの草花は、農芸高校の草花コースやホテルの屋上で育てたものを植え替える予定。もちろん、いずれもホテルの自家製堆肥を使うことで、今後もSDGsなウェルカムガーデンを維持していけるのです。
京都府立農芸高校のみなさん、ありがとうございました!
京都府立農芸高等学校
緑に囲まれた京都府南丹市園部町に位置し、農業生産科・園芸技術科・環境創造科の3学科を設置している、京都府唯一の農業専門高校です。“質実剛健"の校訓と、“目指せ!Next Stage!! "のスローガンを胸に、希望に満ちあふれる生徒の皆さんが、日々夢に向って農業の実践学習に取り組んでいます。