食の神様、伊勢神宮 外宮

神様の台所

2017年冬号より

伊勢神宮外宮では約1,500年間、毎日二度、欠かすことなく行われている祭りがあります。伊勢神宮内宮に祀られている天照大御神等へ、食の神様(衣食住、産業の守り神、豊受大御神)が祀られている外宮から、毎日食事を作りお供えする「日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)」 です。

外宮には風と雨の神が、また内宮には太陽の神が祀られています。風が吹き、雨が降る。そして太陽の光が降り注ぎ、生まれるいのちの循環。
人類700万年。食べることで繋いできた、いのち。シンプルな空間と様式美。余計なものが全くないという美しさ。外宮は、日本の美の原点を感じることができます。

特に朝、神々しい太陽の光に包まれた外宮では、夜に洗われた、朝の凜とした空気を感じます。
食べることに感謝する。そして、人が祈ることで生まれる感謝の循環は、人々を介して感謝の連鎖となり、ここで生まれて、ここに還ってきているのかも知れません。

晴れの日も、雨の日も、風の日も。食べることでいのちの輝きを取り戻したり、輝きを増したり。

外宮を参り、シンプルに食べることに感謝し、自分もその循環の中にあるのだと実感すると、少し気持ちが楽になりました。食べることは生きること。さあ、自然の恵みが詰まった伊勢志摩の 「食べる旅」 をご堪能ください。

外宮さんのある暮らし。伊勢の精神。

お米。それは伊勢において、祭りの象徴ともいえます。
神領民(しんりょうみん)がお木曳き車に新米を乗せ、賑やかに伊勢市内を練り歩く初穂曳き。神領民とは外宮または内宮(一部地域では両宮)に、先祖代々よりご奉仕する伊勢人です。
初穂曳きは、神宮において一年間で最も重要なお祭りである神嘗祭を始めるための行事。20年に一度、内宮や外宮の正宮(正殿)などを造り替え、神様のお引っ越しをする式年遷宮は大神嘗祭と呼びます。
祭ること。それは神領民自らが、神様に喜んで欲しいという感謝の想い。代々このような想いが循環して、常に若々しくという、常若(とこわか)の精神となって地域に根付き、今日も瑞々しく凜とした外宮さんが伊勢にはあります。

今注目のお洒落な外宮参道を散策。

取材日

2017年9月