志摩観光ホテルオリジナル日本酒 第二弾

純米大吟醸 山田錦「志摩」

志摩時間 2021年秋冬号より

お伊勢参りが盛んになった江戸や明治に、酒造りに使われている酒米が三重から全国に広まったと言われています。
鈴鹿山脈からの豊富な水量に恵まれ、稲作が盛んな伊勢平野に位置する鈴鹿地方は、古くから酒造りにも深い歴史を持つ場所です。

昔の酒造りの様子(伊勢型紙)

天照大神の命を受けた倭姫宮(やまとひめのみや)が鎮座の地を現在の伊勢に定めるまでの行幸の様子を書いた「倭姫命世紀(やまとひめのみことせいき)」の中で鈴鹿は「味酒鈴鹿国(うまさけすずかのくに)」と記述されています。「味酒(うまさけ)」とは酒の産地にかかる枕詞で、奈良の三輪と三重の鈴鹿だけに使われる言葉です。
2020年、県単位では全国2番目に三重県が日本酒地理的表示である「GI」認定を受けました。三重の酒蔵をまとめ、プロジェクトを推進した中心的人物が清水清三郎商店の社長、清水慎一郎さん。

G7伊勢志摩サミットのワーキングランチでも使われた銘酒「作」で知られる、1869年創業の三重県鈴鹿市の老舗の酒蔵を樋口総料理長、塚原和食総料理長、杉原シェフソムリエが訪ねました。

試飲をする樋口総料理長(左)、塚原和食総料理長(右)

三重の酒を多くの方に。想いは繋がり新たな「志摩」誕生へ。

三重は「日本の縮図」とも言われる豊かな自然環境で、各酒蔵が個性ある酒を醸していまます。その多様性と三重の持つ文化的背景が、地域の優れた特性として「GI」認定に繋がりました。社長の清水さんは、世界に誇れる酒を造っているからこそ、この地をもっと知って欲しいと話します。その中で自社の酒造りについて「地元『味酒鈴鹿国』の酒造りを受け継ぐ伊勢杜氏が伝統を守り、改良を加え続けることで生き物である酒と向き合ってきました」。
また、清水清三郎商店は、徹底した温度管理で1年を通し酒を造ることができる、近代的な設備を持つ酒蔵です。しかし生産量が増えても人の手仕事にこだわることが大切だとも話してくれました。

酒米を見る杉原シェフソムリエ

清水さんとともに「GI三重」のPRに取り組む杉原シェフソムリエは「山からの養分を含んだ水で作物や酒が造られ、海に流れ着いた水は命の源となり海の幸を育みます。伊勢志摩では信仰深い海女の文化が今も残っています。古くから三重は自然の循環が大切にされています。そして酒は人々の営みには欠かせない飲み物であり、風土を表すものだと思います」。

志摩観光ホテルオリジナル日本酒の第二弾は清水清三郎商店が醸す「志摩」。杉原シェフソムリエは今回の酒造りの酒米に三重県産山田錦をセレクト。「山田錦ならではのキレや旨味、柔らかな水で仕込むので膨らみがあり、清水さんの酒造りの特徴である透明感のある味わいをイメージしています」。
地域を愛し、想う人々の願いが詰まった新しい「志摩」の完成をご期待ください。

左から塚原和食総料理長、樋口総料理長、清水さん、杉原シェフソムリエ、社員の大久保さん

日本酒地理的表示GI指定

国が地域ブランドとして保護するGI=地理的表示制度。その産地固有の地理的条件に加え、一定の製法や品質基準を満たすことが必要です。産地特有の背景として、お酒の特性と自然的要因、人的要因についても評価されます。

シェフソムリエ 杉原 正彦

2011年全日本最優秀ソムリエコンクールセミファイナリスト。第10回フランスワイン&スピリッツソムリエ最優秀コンクールベスト10など数々のコンクールで入賞。伊勢志摩サミットでは、日本ワイン選考委員会のメンバーであり、飲料サービス責任者も担当。酒ディプロマ、利酒師。

取材日

2021年9月

志摩観光ホテル季刊誌「志摩時間」

伊勢志摩の地は、ゆるやかな時間の流れに合わせて、表情を少しずつ変えながら、四季折々の味覚や色彩を私たちに届けてくれます。
そんな季節の移ろいとともに、志摩観光ホテル季刊誌「志摩時間」では、地元の文化や豊かな自然などを通じて、伊勢志摩の四季をご紹介しています。